塩切り麹の保存性が高まる理由

こんにちは。まーちゃんです。

塩切り麹とは、塩と麹を混ぜたものです。(ここに書いている麹は生麹のこととして話を進めていきます)

味噌の仕込み段階で先に作っておくことが多いです。

それは保存性を高めるためです。

混ぜるだけで次の通り保存性が大幅に上がります。

  • 生麹:冷蔵庫で1週間位
  • 塩切り麹:常温で数週間の保存が可能

では、なぜ塩を混ぜると長期保存が可能なのでしょうか。

その理由を探りたいと思います。

目次

理由①:麹菌を死滅させ米の劣化を防ぐため

保存性が高まる理由の1つは、麹菌を死滅させるからです。

麹菌が生きていれば、適度な温度と水分があればどんどん繁殖していきます。

繁殖しすぎると、変色や味の変化、また発酵に伴う発熱によって食材が変質し劣化につながります。

塩を混ぜることで麹菌は死滅し、それ以上の劣化を防ぐことができます。

理由②:腐敗菌が繁殖できず腐敗しにくくなるため

保存性が高まるもう一つの理由は、腐敗菌が死滅または繁殖できなくなるからです。

無菌状態に近くなり腐敗しにくくなります。

塩があると菌が生きられなくなる仕組み

塩があると麹菌、腐敗菌などの菌が生きられなくなる仕組みは、菌の生育に必要な水分が塩に取られることにあります。

この菌が生育するために使える水分のことを自由水と言いますが、塩があると、自由水が塩とくっつき、菌の増殖を防ぐことが可能になるわけです。

ちなみに保存の効く乾燥麹も自由水を乾燥により減らして長持ちさせています。

麹菌が死んでもなぜ味噌はできるのか

麹菌が死滅したら味噌はできないんじゃないの?と思った方がいらっしゃるかもしれません。

でも大丈夫です。麹菌が作りだした酵素が残っているからです。

この酵素や、酵母菌、乳酸菌などの菌が関係し、味噌の発酵を進めます。

塩切り麹の注意点

塩切り麹にはいくつか注意点もあります。

そのままにしておくと酵素活性が低下していく可能性がある

酵素は熱に弱く、常温でも徐々に分解されていきます。

そのため塩切り麹が保存性が高くてもなるべく早めに使う方が良いです。

数か月保存する場合は、冷蔵庫や冷凍庫で保管するのが良いでしょう。

塩を使わない料理には使えない

甘酒のように塩を使わない料理には使うことができませんので注意が必要です。

ステンレス容器での保管は避ける

塩切り麴の保存には、ステンレス容器ではなく、ビニール袋やプラスチックケースがおススメです。

ステンレスは塩で腐食されてしまうからです。

私は蕎麦打ち用の大きなステンレスボウル(ちょっと値段のするもの)で塩切り麹作り、そのまま1週間位保管したことがあるのですが、あちこち腐食されてしまいかなりショックを受けたことがあります。

ステンレスは塩に弱いことをこの時初めて知りました。

まとめ

  • 塩切り麹が保存性が高まる理由は、麹菌や腐敗菌の働きを抑えて米の変質を止めるため
  • 塩があると自由水が減り、多くの菌は繁殖できず死滅する
  • 塩切り麹でも酵素活性は徐々に減っていくため、早めに使うか冷所保管が良い
  • 塩が入っているため甘酒などには使えない
  • ステンレス容器での保存は避ける
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